お悩み
これからは高齢化社会だし、扱うジャンルは「相続」をメインに考えている。
でも、実務は未経験…
事前に勉強しておきたいんだけど、どうやって勉強すればいいだろう?
そんな風に悩んでいませんか?
相続実務を勉強する方法としては、書籍や講座があります。
しかし、しっかり学んでいくには、講座がおすすめです(書籍だけでは、どうしても分かりづらい部分があるので。さらに詳しい理由はこちら→行政書士実務の勉強ってどうやるの?5つの学び方を経験者が解説)
ということで、本記事では相続実務が学べる講座5つを比較してみました。
この記事を書いている私は、行政書士として相続業務を1年半やった経験があります。
なので、どんなことを教えてもらえる講座が良いのか、よく分かっています。
ということで、ぜひ選ぶ際の参考にしてくださいね。
目次
行政書士が相続に関してできることは?
相続に関して行政書士ができることは、意外とたくさんありますが、メインとなるのは以下の3つです。
- 相続手続き
- 遺産分割協議書作成
- 公正証書遺言作成サポート
あとは、成年後見業務とかもありますね。
また今後、社会の仕組みが変われば、新たな業務が増えていく可能性もあります。
今回は、上記3つの業務を、ザッと確認していきましょう。
行政書士の相続実務①相続手続き
まずは、相続手続き。
相続が発生すると、預貯金の名義変更などの手続きが必要になってきます。
その手続きを、行政書士は代行できます。
相続手続きって、想像以上に面倒なんですよね。
私も、この手続き業務はたくさんやりましたが、正直あまり好きじゃなかったです…笑
集める資料が多いし、細かい部分まで注意を払って作業をする必要があるし、作業自体がとても地味です。
しかし面倒だからこそ、代行してもらいたい人がたくさんいます。
ちょっと作業は煩わしいですが、やり方さえわかってしまえば、難しくない業務です。
とはいえ最初から自力でやるとなると分からないことだらけで、あわあわとパニックを起こしかねません。私だったら不安すぎるので、そんな状態ではやりたくない…
行政書士の相続実務②遺産分割協議書作成
そして、遺産分割協議書作成ですね。
これは戸籍等を集めて相続関係図をつくり、相続財産を確認したうえで、お客様の望む財産分割方法に沿って書類を作成して行きます。
書類の書き方は細かいところまで決まりがあります。
なので、けっこう骨が折れます。
そして相続関係図を作るのも、意外と大変だったりします。。
まず相続人が他にいないかどうかを確かめるために、戸籍などを集めていくわけですが、わりと手間がかかるんですよね…。もちろんスッと戸籍が揃う人もいるのですが、引っ越しが多い場合や、何度も結婚されてる方などは、一人あたり10部以上取得するなんてこともザラにあります。
また、そもそも昔の戸籍は読み解くのが難しいです。情報の掲載方法が違ったり、そもそも昔の文字が読めなかったりします笑
初めてやった時は「え、何この文字、読めないんだけど…もはやコレは謎解きなんじゃないか…」ってなりました。
私の場合は、優しく教えてくれる先輩が周りにいたので、何とか乗り切れましたが、もし最初から一人でやってたらと思うと、冷や汗です…
行政書士の相続実務③公正証書遺言作成サポート
それから、公正証書遺言作成サポートも行政書士ができる仕事。
これ勘違いしてる人が結構いると思いますが、公正証書遺言を作成するのは「公証人」です。行政書士は、それのサポートをするという役回り。
遺言書の文案を作成したり、公証役場と打ち合わせをしたりします。
お客様と公証人の間をつなぐわけですが、考え方が異なる両者の板挟みになってしまうことも…(経験談)
ちなみに、さきほどの相続手続き、遺産分割協議書作成は、相続発生後の業務になりますが、こちらは、相続発生前の業務になりますね。
もちろん例に漏れず、公正証書遺言作成サポート業務も、事前に学んでおくべきことは多々あります。
講座で相続実務を勉強する、メリットとデメリット
さて、ということで個人で開業する場合には、なるべく誰かに教わっておくことをオススメします。冒頭でも書いた通り、書籍で学ぶより「実務講座」といったものを利用した方が、圧倒的に効率がイイでしょう。
しかし、実務講座にはデメリットもあります。
実務講座を利用するデメリット
それは、
デメリット
- 数万円〜数十万円のお金がかかる
という点ですね。
しかし開業して集客できれば、すぐにペイできる金額ではあります。
なので、ここは先行投資として使ってしまうのも一つの手。
ただその辺りは、手持ちの資金がどれくらいあるかによるので、そこはお財布と相談してくださいね。
実務講座を利用するメリット
逆に、講座を利用するメリットはというと、
メリット
- 実際に実務を行っている行政書士が目の前で、もしくは画面越しに教えてくれる
- 書籍には載せられないような裏話をしてくれる可能性がある
- 分からないことを質問できる
現役行政書士が講師の場合は、最新の状況もリアルタイムでキャッチできます(市場の話など)
そしてやっぱりテキストを見て学ぶより、口頭で説明された方が圧倒的に分かりやすいですよね。その分、勉強時間も圧縮できます。
行政書士実務の勉強ってどうやるの?5つの学び方を経験者が解説
相続実務を学べる講座、5つを比較
では、行政書士の相続実務を勉強できる5つの講座を比較していきましょう。
一覧表を作ってみたので、まずはざっと見てみてください
講座名 | 講義の 回数・時間 |
料金(税込) | |
伊藤塾 | 行政書士実務講座/フルパック (他の分野の講座も含む) |
127時間 (相続は12時間) |
248,000円 |
黒田塾 | 相続実務・完成講座 | 24回/約48時間 | 298,000円 |
アガルート | 行政書士 実務講座/開業講座 (他の分野の講座も含む) |
約16時間 (相続は4時間) |
54,780円 |
TAC | 行政書士 実務講座 (他の分野の講座も含む) |
8回 (相続は1回) |
87,000円 |
行政書士実務研修センター | 相続・戸籍取得の実務:前編 相続・戸籍取得の実務:後編 相続・遺産分割協議書作成の実務:前編 相続・遺産分割協議書作成の実務:後編 公正証書遺言作成の実務:前編 公正証書遺言作成の実務:後編 (他の分野の講座も含む) |
ー | 148,500円 |
いろんな講座がありますね。
では、1つずつ詳細を見ていきましょう。
相続実務が学べる講座①伊藤塾
講座名 | 回数・時間 | 料金 (税込) |
行政書士実務講座/フルパック (他の分野の講座も含む) |
127時間 (相続は12時間) |
248,000円 |
まずは、伊藤塾です。
伊藤塾の実務講座は、いろんなジャンルの業務を横断的に学べる講座となっています。
カリキュラムは、以下の画像の通り。
遺言・相続業務の講座は、
実務編 | 12時間 |
というカタチでしっかり含まれていますね。
お悩み
そんな風に考えている人には、ピッタリな講座。
また伊藤塾のフルパックは、「理論」や「集客」に関しても学べます。
実務講座の内容
伊藤塾の相続の講座では、
- お客様からの相続に関するご相談への対応
- 各種財産の名義変更を中心とする「遺産整理業務」
- 遺言書の作成をサポートする「遺言書作成業務」
といったことが学べます。
相続実務を担当される講師は、新井 勇輝先生。
さらに詳しくは、公式サイトにてチェックしてください↓
相続実務が学べる講座②黒田塾
講座名 | 回数・時間 | 料金(税込) |
相続実務・完成講座 | 24回/約48時間 | 298,000円 |
続いては、黒田塾です。
黒田塾とは、行政書士の黒田広史先生が個人的に運営されている講座。
個人の塾とか、ちょっと不安という方もいるかもしれませんが、この黒田塾は、相続専門研修会として11年間で、550名の修了生を出されてきたという、規模の大きな塾なので、わりと安心かと。
講座の内容は以下の通り。
- 遺言実務講座(全11回)
- 相続実務講座(全13回)
1回の講義は1時間半~2時間半くらいとのこと。
受講料は298,000円と高いですが、講座の内容をじっくり見てみると、かなり細かい部分まで教わることができるので、相応の価値があるんじゃないかなと私は思いました。
ということで私だったら、先ほどの伊藤塾かこの黒田塾を選びます。
ただ黒田塾は、募集人数が決まっているので、現在申し込みができるかは不明。
相続実務が学べる講座③アガルート
講座名 | 回数・時間 | 料金(税込) |
行政書士 実務講座/開業講座 | 約16時間 (相続は4時間) |
54,780円 |
続いては、アガルート。
アガルートの実務講座は、他の分野の講座も含まれたパック。
伊藤塾と同じように、相続以外の分野もインプットしておきたい、という場合にのみ利用しましょう。
相続に関する講座の内容は、
- 相続・遺言関係(2時間程度)
- 後見・終活関係(2時間程度)
となってます。
担当されている東 優先生は、個人でもセミナーをやられてる方。
相続実務が学べる講座④TAC
講座名 | 回数・時間 | 料金(税込) |
行政書士 実務講座 (他の分野の講座も含む) |
8回 (相続は1回) |
87,000円 |
続いては、資格学校として有名なTAC。
TACも実務講座を出しています。
しかしアガルートと同じで、パックでのみ受講可能なんですね。
相続は1回分しかないので、ちょっと物足りなく感じるかも。
相続実務が学べる講座⑤行政書士実務研修センター
講座名 | 回数・時間 | 料金(税込) |
相続・戸籍取得の実務:前編 相続・戸籍取得の実務:後編 相続・遺産分割協議書作成の実務:前編 相続・遺産分割協議書作成の実務:後編 公正証書遺言作成の実務:前編 公正証書遺言作成の実務:後編 (他の分野の講座も含む) |
ー | 148,500円 |
最後は、行政書士実務研修センター。
名前からして、「行政書士会の公式のスクール?」って感じですが、株式会社中山事務所さんの講座です。
行政書士実務研修センターでは、
- 戸籍取得
- 遺産分割協議書作成
- 公正証書遺言作成
といったことが学べます。
元々は科目別でも講座を購入できたようですが、現在はパックでのみ販売(148,500円)とのこと。
行政書士の相続実務まとめ
ということで以上、行政書士の相続実務の勉強方法について書いてきました。
どんなジャンルの業務でも同じですが、相続業務は特に、お客様の人生において、非常に重要な意味を持つ場面での業務となります。
その分しっかり業務を引き受けないといけません。
なので、可能なかぎり先人のノウハウを学んでから行うべきです。
そして何よりあなた自身も、十分なインプットなしに実務をやるとなると、大変な思いをされるはずなので、それを回避するためにも、ぜひ今回紹介したような講座を受けてみてくださいね。