「行政書士試験を受けてみようかな…」と考え始めると、
受験生
自分は、その時間を確保できるかな…?
こういった疑問を感じるかと思います。
とくに初めて受験する場合は、サッパリ分からないですよね。
まず結論からいうと、
初学者が独学で勉強するには、800〜1000時間が目安です。
なぜこの数字が出せるかというと、実際に私自身が「法律初学者の段階からの試験合格」を体験したからです。
ということでこの記事では、上記の勉強時間について詳しく解説するとともに、スタート時期に合わせた「勉強時間のシミレーション」もやっていきます。
これから勉強計画を立てたいと考えている方は、ぜひ参考にしていってください。
目次
行政書士試験に合格するには、800〜1000時間の勉強時間が必要
合格するための勉強時間は、そもそも人によって異なります。
学生時代のクラスメートを思い出してみてください。飲み込みが早い人もいれば、飲み込みに時間がかかる人もいましたよね。記憶力がいい人もいれば、記憶力が悪い人もいます。そうなると、一概に「勉強時間は〇〇時間」と決めつけることはできません。なので、これからお話しする勉強時間は、一つの目安として参考にしてくださいね。
では、その「目安」の話。
冒頭でも述べたように、初めて法律を勉強する人が独学で合格するには、800〜1000時間が目安です。
この数字の根拠は、以下の2つです。
- 大手スクールが出している勉強時間
- 私自身の勉強時間
一つずつ解説していきます。
根拠①大手スクールが出している勉強時間
行政書士講座をやっているアガルート、フォーサイト、ユーキャンの3社が出している、「初学者が独学でやる場合の勉強時間」は、以下の通り。
スクール名 | 勉強時間 |
800〜1000時間 | |
800〜1000時間 | |
800〜1000時間 |
ということで、いずれも「800〜1000時間」を勉強時間の目安にしています。
根拠②私自身の勉強時間
そして私が実際に行政書士試験を受験したときの勉強時間も、まさに800〜1000時間くらいでした。
まず記録に残っている範囲でわかる勉強時間は、
時期 | 勉強時間 |
4月〜8月半 | 約200時間 |
8月半ば〜試験 | 約530時間 |
合計 | 約730時間 |
合計730時間。
さらに、
- 基礎固め用の本を読んだ時間
- 行政書士試験対策の教材を選んだ時間
- 勉強方法を改善するために試行錯誤した時間
- 模試を受けた時間
これらの時間を含めると、合計でおよそ800時間くらいになります。
当時の私の状況・スペック
しかし、そもそもこれは、どういった人間の場合の勉強時間なのか?
そこが気になる人もいるかもしれません。
ということで、当時の私の状況・スペックです↓
- 年齢29才
- 仕事はアルバイト
- 大卒(1浪)
- 法律の勉強経験0
- 資格試験の経験0
- 試験まで残り7ヶ月(スタートが4月)
こんな感じです。
まず有利だったなと思うのは、仕事がアルバイトだったこと。シフトをわりと自由に変えられたので、勉強時間の確保がしやすかったです。
また、大学受験はしていたので、集中的に勉強するという行為は経験がありました(一浪してるし、10年くらい昔の話ですが…)
ただ、法律系の学習経験は全くなく、試験まで残り7か月しかありませんでした。ということで、あまり余裕のある状況ではなかったです。
4月〜8月半までの勉強時間
ここからは、当時のメモなどを参考にしつつ振り返り。
勉強開始は、4月10日。
まずは、入門のテキスト(市販)の読み込み。2冊分を同時進行でやりました。一日平均すると2時間くらいの学習時間だったと思います。午前中に勉強して、午後からアルバイトに行く、というスケジュール。それが8月半ばくらいまで続いた感じです。この時期の合計が、200時間くらい。利用した参考書などは、こちらの記事にて→【行政書士の独学】半年で一発合格した勉強法【ガチ体験記】
続いて、基礎テキストの読み込み。一冊分。引き続き、ノートを使って内容を整理していった期間です(入門テキストも含めると、インプットを全部で3周したカタチになります)この記録を見るとわかるように、ちょっとずつ進めています。
ただ見ての通り、必ずしも毎日勉強できていたわけではありません。仕事先の飲み会があったり、結婚式が立て続けにあったり(余興やスピーチの練習、動画の作成など)
また、6月に1ヶ月弱簿記3級の勉強したため、この期間は行政書士の勉強はほぼできてません。なぜ、わざわざこの時期に受験したかというと、「資格試験」というものを一回体験しておきたかったからです。資格を取るという行為が未知数すぎてナゾだったので…。
時間は取られてしまいましたが、ここで「独学で勉強する→苦しむ→できるようになる→本番→合格」という流れを短い時間で体験できたことは、一つの小さな自信となりました。とはいえ、これは全員におすすめするものでもありませんが。
8月半ば〜の勉強時間(直前期)
8月半ばからは、徐々に勉強時間を増やしていきました。試験が近づいてきて焦りもあったので、午前中の時間も、できるかぎり勉強を進めました。あとは、自宅以外にも図書館を利用したりしていた時期。
9月からの直前期は、シフトを減らし勉強時間を増やしていきます。そして10月からは、まるまる1ヶ月休みをとり、家に引きこもって一日10時間ほど勉強しました。食事や睡眠などの時間以外は、ほぼ全て勉強にあてました。とにかく「間にあわない…!」という気持ちが強かったのを覚えています…なかなかツラかった。
この時期の合計は、530時間くらい。ちなみにこの直前期の勉強時間は、細かく記録していたので、かなり正確な数字です(正確には、524.75時間)
800時間は、最短の時間
ということで、合計800時間くらいだったわけですが、ひとつ注意点。
それは、この勉強時間は「最短」の目安であるということ。
理由は以下3つ。
- 商法を途中で捨てている
- 基礎をメインとした学習のみ
- 180点ピッタリでの合格
1. 商法を途中で捨てている
まず私は「商法」を途中で捨てています。
なぜかというと、シンプルにそこまでやる時間が足りなかったからです。
行政書士試験において、商法は配点も少なくコスパが悪い。ならば配点の多い科目(民法と行政法)に時間を費やしたほうが合格できるかもと考えました。
2. 基礎をメインとした学習のみ
私は、最後まで易しいテキストしか用いてません。他資格の問題集までやる人もいますが、そこまでやる余裕はありませんでした。。なので「基礎」部分のみを中心に最後まで駆け抜けた感じです。行政書士試験は300点中180点取れれば合格なので、その戦略でも可能性はあるなと。ということで、カバー範囲は比較的狭くなっていたと思います。
3. 180点ピッタリでの合格
結果、まさに180点ピッタリで合格しました。素晴らしく省エネ。本当に言葉通り「最短距離」で合格を掴んだカタチになりました。
つまり目安は1000時間で見積もった方がベター
もし商法をちゃんとやって、問題集ももう少し幅広いものまでやっていたら、おそらく1000時間くらい必要だったと思います。なので800時間で見積もるよりは、できれば1000時間で見積もってもらっておいた方が安心かなと。
行政書士試験に向けた、勉強時間シミレーション
では、ここからはスタート時期に合わせた「勉強時間のシミレーション」をしていきましょう。
- 800時間の場合
- 1000時間の場合
これら2つのパターンで、1日あたりの勉強時間を計算してみます。
勉強時間が、合計800時間の場合
毎日、同じ時間を確保できるとすると、
スタート月 | 試験までの残り期間 | 勉強時間 |
11月 | 12ヶ月 | 2.2時間/日 |
12月 | 11ヶ月 | 2.4時間/日 |
1月 | 10ヶ月 | 2.6時間/日 |
2月 | 9ヶ月 | 2.9時間/日 |
3月 | 8ヶ月 | 3.3時間/日 |
4月 | 7ヶ月 | 3.8時間/日 |
5月 | 6ヶ月 | 4.4時間/日 |
6月 | 5ヶ月 | 5.3時間/日 |
7月 | 4ヶ月 | 6.6時間/日 |
8月 | 3ヶ月 | 8.8時間/日 |
9月 | 2ヶ月 | 13.3時間/日 |
10月 | 1ヶ月 | 26.6時間/日 |
それぞれ1日あたり、これくらいの勉強時間が必要になります。
(10月スタートだと、もはや24時間を超えてるので不可能ですね…)
勉強時間が、合計1000時間の場合
続いて、1000時間やるとすると、
スタート月 | 試験までの残り期間 | 勉強時間 |
11月 | 12ヶ月 | 2.7時間/日 |
12月 | 11ヶ月 | 3.0時間/日 |
1月 | 10ヶ月 | 3.3時間/日 |
2月 | 9ヶ月 | 3.7時間/日 |
3月 | 8ヶ月 | 4.1時間/日 |
4月 | 7ヶ月 | 4.7時間/日 |
5月 | 6ヶ月 | 5.5時間/日 |
6月 | 5ヶ月 | 6.6時間/日 |
7月 | 4ヶ月 | 8.3時間/日 |
8月 | 3ヶ月 | 11.1時間/日 |
9月 | 2ヶ月 | 16.6時間/日 |
10月 | 1ヶ月 | 33.3時間/日 |
こういった計算となります。
1000時間やるとなると、いくら一日中勉強できる人でも、遅くとも7月くらいまでには始めないとなかなかキツいです。
ちなみにどうしてもスタートが遅くなっていまうという場合には、速習コースなどの通信講座を利用しましょう。
会社員の場合でシミレーション
例えば、会社員の場合。
まとまった休みは、なかなかとれないですよね。
そうなると早い段階から、コツコツ勉強時間を積み重ねていくしかありません。
例えば、4月スタートで1000時間やるとすると、1日あたり4.7時間必要です。
1週間でいうと32.9時間。土日休みだとすると、平日は、
・朝:1時間
・昼休み:30分
・夜:3時間
例えばこんな感じのスケジュールが考えられます(土日は1日5時間やる計算)
なかなかヘビーですが、これくらいは必要になると想定しておいた方がいいでしょう。
スクールを利用すると、どれくらい勉強時間を圧縮できる?
さて、ここまで見てきたのは、独学での勉強時間です。
もし通信講座などのスクールを利用するとなると、話は変わってきます。見積もり時間は、確実に減らせます。というのも1人でテキストと睨めっこしながら学習するより、プロの講師から学ぶ方がずっと効率がイイからです。
たとえば、始めて水泳を習う状況を想像してみてください。一人で練習するより、コーチに教わった方がずっと効率がいいのは分かりますよね?行政書士試験に向けた勉強も同じです。
プロの講師から学ぶことによって、独学に比べて最大3分の1くらいの時間は削れると考えています(もちろん、これも一概には言えませんが…)
例えばアガルートは、独学は800〜1000時間という見積もりに対して、講座利用での勉強時間は「600時間」という数字を出しています。
具体的にどんな時間を削れるのか?
スクールを利用することで、
・勉強方法を試行錯誤する時間
・項目ごとの重要度を見極める時間
・テキストを理解する時間
・分からないことを調べる時間
・問題集やテキストを選ぶ時間
こういった時間を削ることができます。
私は当時お金がなかったので仕方なく独学でしたが、もしお金が用意できたならスクールを利用してたと思います(そして、ちゃんとそこまで調べなかったので、意外と受講料が安いということを知らなかったというのもあります…)
さらにスクールによっては、最短距離で合格できるカリキュラムを用意してくれているスクールもあります(例えばフォーサイト。フォーサイトの詳細はこちら→【フォーサイトって評判悪いの?】元行政書士が3つの口コミを検証)
もしあなたが、
受験生
という状況なら、スクールの利用を検討しましょう。
行政書士の勉強時間まとめ
以上、行政書士試験に向けた勉強時間について解説してきました。
独学でやるにせよ、スクールを利用するにせよ、ある程度は勉強時間が必要です。
ただ1つ言えるのは、行政書士の資格を手にしたいなら1日でも早くスタートした方が有利ということ。迷う気持ちもよーく分かりますが、合格の可能性を高めるために、なるべく早く勉強に着手しましょう。
なお、独学とスクールで迷っている方は、以下の記事も参考にしてください↓
行政書士試験は、独学よりスクールの方が効率がいい3つの理由